今年の春節を振り返る~大気汚染の角度で~
2015/06/15
中国では陰暦の正月が2月10日にあたり、いわゆる日本の元旦のような盛り上がりです。中国の春節で有名なのが正月の0:00になると一斉に花火を打ち上げて爆竹を鳴らすというのが慣例ですが、同時に大きな社会問題にもなっています。
今回は大気汚染の角度で中国の春節を考えます。
我が都市は比較的大人しかった
現在住んでいる市では初めての春節なのでどうなるのか気になったのですが、意外とあっさりしていました。北京や上海などと比べても花火が上がる数が圧倒的に少なかったように感じます。
爆竹の音も夜中の間ずっと鳴り響いていましたが、さほどひどい感じはしませんでした。しかし現在でも爆竹の音は散発しています。
一番の理由は、私の住んでいる都市は貧しい地域に属するので「花火や爆竹を買う余裕が無い」というのが現状です。(あまり知られていない都市なので名前は挙げませんが・・)
生活自体が大変なので裕福な地域に比べると、あまり生活そのもの意外に関心を傾けないのが私の住んでいる都市の特徴です。お陰様で大気汚染は軽度で済みました。
【春節明けの大気汚染数値】
私の住んでいる都市は「154」と軽度汚染のようです。夜中寝ていた時は火薬の臭いが家の中にも入り込んで不快でしたが、翌日は雨も振ってくれたお陰で幾らかはマシだったようです。
汚れも洗い流されて土に染みこんで、その後循環して戻ってきますが・・
危険なのが中国の主要都市
日本のニュースでもやっていましたが、中国の北京では春節の時期大気汚染がひどくピーク時では『800』という記録的な数字に達したそうです。これは日本の環境基準の約23倍に当たる数字だそうです。
中国全土の大気汚染を確認できるサイトで春節明けの汚染数値を確認したところ、各地で危険レベルを記録したようです。
例えば下の図はページをキャプチャーしたものですが、西安では軒並み400を超えています。
すごいですね!
西安の都市全体でバルサンを炊いているようなものでしょう。しかし中国人はコロリしないのでしょうね・・
この数字がどれほど凄まじいかというと、同日の日本の一地域と比べるとよく分かります。先月猫も首輪に「microSD」を取り付けられて事件の片棒を担がされた江ノ島付近ですが・・
なんと『50』の数字を記録しています。
私も次回日本へ帰国したら精一杯空気を吸っておこうと思いますw
悪習に終止符を
春節の時期の花火と爆竹は中国の悪習の一つといえるでしょう。大気に汚染物質をまき散らして後片付けをしない、その後掃除のおばさんがマスクを付けてゴミを始末するという構図です。
『自分が楽しければ他の人の事を顧みない』という中国の負の側面を顕著に表すのが春節の習慣です。『分かっていても止められない、考えないようにする』というのが本音なのでしょう。まさにヘビースモーカー状態です。
この悪習で誰が一番利益を得ているのか考えて欲しいものです。