中国生活style

お金バラマキ事件の巻

      2015/06/15

 

久しぶりに『テレビから中国を見る』カテからの投稿です。実は中国に引っ越してきてから直接テレビを見ることが増えたので、PCからキャプチャーする機会も減ったのでご無沙汰しておりました。

春節前のネタなのですが、ちょっと考えされられる事件がありましたので紹介したいと思います。

とある工人の悲劇

工人(gong1ren2)というのはサラリーマンとは違って、日本で言うアルバイトに近い仕事をしている人たちのことを広義で差します。大抵は貧しい農村から出稼ぎで来ている人たちがほとんどです。

この工人の男性も農村から上海に出てきて宅配の仕事ともう一つの仕事を掛け持ちで行なっており、頑張って貯めたお金を持って田舎に帰るところでした。

しかし不注意でバイクに乗っていた時に交差点で大量のお金を落としてしまい『バラマキ状態』になってしまったのです。さて同胞たちはどのような行動を取るのでしょうか?

下の交差点監視カメラが様子を捕らえています。
お金に群がる中国人
【お金に群がる”同胞”たち】

「天から100元札が降ってきた」と言わんばかりの狂乱ぶりです。我先に落ちている100元札を取りに向かっています。この時に落とし主はどう感じたのでしょうか・・

100元札に対する渇望

実は私も先日同様の経験をしました。お店の前で財布を開いたところ、風のいたずらだったのか100元札2枚はひらりと舞い上がってゆきました。

その時の中国人の反応も素早いものでした。獲物を捕らえるかのような目つき(?)で100元札に反応していたを覚えています。以前友人が「人前で100元札を見せるな」と言っていたことがありましたが、こういう事だったんですね。

人前で100元札は見せないのが鉄則

話を戻します(^_^;)

低い返還率
番組は続きます。

元々工人が持っていたのが17600元だったのですが、実際に戻ってきたのが3700元だったそうです。残りの13900元はどこに行ったのでしょうか。ヤギにでも食べられのかもしれません・・

そして戻ってきた3700元ですが、なぜ返って来たのでしょうか?

助ける目的で拾い集めて警察に届けたのであれば賞賛に値しますが、「監視カメラに写ったから後でサツにパクられるアルよ!」とか「車のナンバーもバレてるアルよ!」とか言ってお金を返したのかは分かりませんが・・

中国では春節の前の時期は泥棒が増える時期で有名です。(日本の師走と同じ)空き巣などの軽犯罪が増える時期なので、お金に対する執着心はMAXです。変換率が低かったのもうなずけますね。
警察からお金を返される場面
【警察からわずかながらのお金を返される瞬間】

どうやらこの人は「時の人」になってしまったようです。お金を失うや、有名人になるわで大変です。この事件はネットでも話題になったようで、善意の寄付が集められたそうです。

その後はよく聞き取れなかったのですが、この工人も「自分よりもっと貧しい人がいる」と言って結局善意でいただいたお金も寄付に回したそうです。

落とした自分も悪いのですが、お金に対する執着心を示すニュースでした。

キャスターが指摘していたのは”破窗效应”

あ
最後にキャスターが中国の興味深い考え方を指摘していました。

以下はその訳出です。

ある家の窓ガラスが割れて誰も修理しなければ、月日が立つうちに不思議と他の窓ガラスも壊されてゆく。きれいにされている場所では人々はゴミのポイ捨てを悪いと思うが、一旦ゴミが捨てられると他の人々はポイ捨てすることに躊躇しなくなる。

『破窗效应』そのまま訳すと「窓割れ効果」と言いましょうか、一度悪さが始まると他の人々も悪いことをするのに躊躇しなくなるということですね。

中国の大衆心理とも関係していると言えるでしょう。

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